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佐和周のブログ

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悩み多き会計士の「監査法人を退職すべきか?」という問いに対する回答

今日は、週末なので雑談です。

タイトル

今回の記事のタイトル、悩んでる会計士の人は、「悩み多き会計士の…問い」と読むでしょうけど、そうじゃない人は、「悩み多き会計士の…回答」と読むんじゃないかと思います。

いきなり1文目から脱線するという新しいスタイルを試してみましたが、「今後はやめたほうがよさそう」という結論に至ったところで、本題に入ります。

先週、以下の記事で、若手の会計士の人から個人的によく受ける質問をまとめました。

 

1. 監査法人を退職すべきか

その中でも、現在進行形で一番多い質問が、「監査法人を退職すべきか?」というものです。

もちろん、相談を受ける場面が初対面だったりもするので(私のセミナーに足を運んでくれたり、人づてに連絡をくれたり)、「今すぐ監査法人を退職すべきでしょうか?」という深刻なテイストの相談ではないです(笑)

もう少し軽く、「監査法人を退職すると、楽しいですか?」みたいな感じだと(勝手に)解釈して回答しています(違ってたら、ごめーん)。

ちなみに、面識のない私にコンタクトをとって、しかも、あえて私みたいなタイプの人に質問するということは、相当ガッツのある若者なんだと思います。なので、統計上、いい意味で監査法人っぽくない人が多いです(私的な判断基準による)。

結論からいうと、そういうとき、私は「退職したいと思ったんなら、退職したら?」と答えます。

ただ、1つだけ条件があって、それは、自分の「立ち位置」をちゃんと把握できていることです。

この点について、もうちょっと書いてみたいと思います。

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2. 自分の市場価値の把握

まず、ここでの「立ち位置」というのは、監査法人内の立ち位置というよりは、外での立ち位置、言い換えると「市場価値」という意味合いです。

なので、「立ち位置」は、あくまでも相対的なもので、正確に把握するのは結構難しいです。

極端な話、これは住んでいる(あるいは通勤可能な)地域によっても異なります。

例えば、私の場合、東京で勤めていたときは、監査法人より条件の良い求人(少なくとも応募資格的にOKなもの)がいっぱいありましたが、大阪に移ってからは、地元の神戸を含めて、魅力的な求人があんまりなかったです。

そういう意味では、大阪というマーケットでは、相対的に自分の市場価値は低くて、逆にいうと、相対的に監査法人の待遇が魅力的ということになります。

こんな感じで、自分の立ち位置というか、市場価値を正確に把握するためには、まずは実際の求人内容を見るのが一番です。そこから徐々に輪郭をはっきりさせていけばいいので。

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3. 転職する・しないにかかわらず、転職活動は重要

ということで、「ずっと監査法人にいたい」と思える人を除いては、実際に転職する・しないにかかわらず、転職活動をしたほうがいいと思います。

事実、私もいつかは監査法人を退職する予感がしていたので(詳細はこちら)、割と早い段階から転職活動をしていました。といっても、「いい条件のものがあったら、転職しよう」というスタンスに過ぎず、また、以下のような情報を集めることも目的にしていました。

(1) 現時点のスキルで期待できる平均的な待遇はどの程度か
(2) どのようなスキルを補えば、より良い待遇が期待できるか

(1) 今のスキルに対する平均的な待遇

(1)については、応募条件を満たしているような求人の内容を見れば、自分のだいたいの市場価値がわかります。逆にいうと、現在の監査法人における待遇の良し悪しを客観的な視点で判断できるということです。 

長期的な視点で見ても、現状よりも良い条件のものがないのであれば、監査法人に残るのが合理的です。

「それでも辞めたい」というのは、もはや合理性の問題ではないので、私にコメントできることはないです(気持ちはめちゃくちゃわかるので、色々と言いたくなりますが、私にはその資格はありません)。

(2) 自分に足りないスキル

(2)については、「外でより良い待遇を得られる状況になってから、監査法人を退職したほうがいい」という意味合いもありますが、どういう状況であれ、自分の市場価値を高める努力は無駄にならないと思います。

私の場合は、やりたい仕事の内容的にも、給与水準的にも、英語力が求められる状況でした(そのあたりの経緯はこちら)。あとは、税務の知識や経験も、ですね。逆に「これ以上会計の知識を積み上げても(監査法人の外では)お金にはならない」というのも、転職活動を通じて明確に理解しました。

「今の自分に何が足りないか」という情報は、めちゃくちゃ価値があると思います。

どんなスキルでも一朝一夕には身に付かないので、そういう情報を得ておくことは、長期的なキャリアを考える上ではすごく効いてくるんじゃないでしょうか。

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4. エージェントは重要

じゃあ、とりあえず転職活動をするとしましょう(勝手に進めるスタイル)。

そこで重要になってくるのが、転職エージェントです。

私は情報収集が苦手なので、エージェントの人に色々と教えてもらいました(ありがとうございました)。

言うまでもないことですが、エージェントの人とは、間違いなく相性があります。なので、絶対に複数のエージェント会社に登録したほうがいいです。

それと、エージェントの人が、(監査法人に勤務している)会計士の平均的なスキルを理解してくれていることも大事です。じゃないと、自分の特徴を売り込んでもらいづらいので。

会計士の転職に限定すれば、エージェント会社という意味では、マイナビ会計士が候補になるでしょうか(公式サイトは以下のリンク)。

マイナビ会計士

 

あとは、より広く管理系という意味では、MS-Japanも候補になります(公式サイトは以下のリンク)。

弁護士・公認会計士・税理士の求人・転職なら【MS-Japan】

 

結局はエージェント「個人」との相性なので、特にどの「会社」がオススメとかはありません(私が転職活動していたときは、組織としてちょっとやばいところがありましたが、上記の2つはそれに該当しません)。

エージェントの人と相性が悪いなと思ったら、次のエージェント会社に行くべきです。

ただ、どういう状況であれ、現状把握という意味では、まずはエージェントの人の話を聞いてみるのがいいと思います。

また、登録すると求人メールがいっぱい届くので、そういう情報を総合すれば、ある程度自分で「給与水準はこれくらいかな」という判断もできるようになるはずです。

 

5. 転職活動の副次的効果

ちなみに、自分が煮詰まった状況だと、エージェントの人の話を聞くだけでもいい気分転換になると思います。

私の場合は、自分が当事者ではない最悪の人間関係を傍目でずっと見せられて、「なんやねん、この陰湿な(以下略)」とか思っていた時期がありました。みんなそうだと思いますが、私も陰湿なのは心底苦手です。ただ、自分が当事者でないだけに、余計な口出しをするわけにもいかず。。。

そういうとき、転職活動をしていると、不思議と心の平静を取り戻せたんですよね。

外の広い世界から、閉じた狭い世界を眺める気分というか。ああ、「隣のブースで陰湿な(以下略)」だけど、あれは、あの数㎡で起きている局地的な事象に過ぎず、外の世界を自由に羽ばたいている自分(本当はまだ羽ばたけていない)には関係ないんだと。

いま振り返っても、そういうふうに自分の置かれた状況を客観視するためには、やっぱり転職活動だよな、と思います。

 

6. 退職しないことも選択肢

ちょっと回想シーンに入ってしまったので(ごめんなさい)、話を戻します。

私は、会計士のような専門職の場合、フリンジ・ベネフィットを含めた金銭的評価が何より重要だと思っており、それは転職に際しても同じです。

ただ、これは「金銭ですべてを判断すべき」という意味ではありません。

監査法人での仕事にemotional attachment(愛着のようなもの?)があれば、金銭面でどうあれそれを大事にするのも1つの立派な選択肢です。

特にチームのメンバーに恵まれている場合、監査法人も悪いところではないと思います。実際に、私も東京にいたときと、大阪の最初の部門ではそのように感じていました(有難いことです)。

もちろん、全体として監査法人の環境に満足していたとしても、日々の仕事の中で嫌なことはあるはずです。「隣のブースで陰湿な(以下略)」とか。

そういうときに、「いつでも辞められるから、気楽にいこう」と思えて、かつ、それに転職活動による裏付けがあったなら、精神衛生上、非常に好ましいことだと思います。

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7. 転職をより真剣に考えるべき状況に

当たり前のことですが、監査法人のようなパートナーシップは、基本的にパートナーが総取り(Winner takes all)の世界です(税理士法人ほど露骨ではないにせよ)。

大手の監査法人では、今はパートナーへの出世競争が結構厳しいようなので、そういう意味でも、若手の会計士の人たちは、より真剣に転職を考えるべきだと思います。

やっぱり監査法人で求められるスキルと、外で求められるスキルは異なるのではないでしょうか。そうすると、雰囲気が監査法人っぽくない人に限定すれば、監査法人内の競争に勝つことと、外で高く評価されることは、ある意味で別物と考えてもいいですよね。

そして、外の世界で自分に求められるスキルを知るためには、転職活動をするのがベストです。

しかも、何より、外の世界は圧倒的に楽しいという(笑)

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今日の結論

ということで、今日の結論です。

(1) まずは転職活動

まず、実際に退職するかどうかは別にして、とにかくエージェント会社に登録して、転職活動をしてみましょう。

嫌なことがあった日が最適です。「隣のブースで陰湿な(以下略)」とか、そういう日に、勢いに任せて動きましょう。

マイナビ会計士

 

弁護士・公認会計士・税理士の求人・転職なら【MS-Japan】

 

で、エージェントの人から色々教えてもらったり、求人情報をもらったりして、自分の現在の立ち位置を明確にしましょう。

(2) 立ち位置が明確になったら意思決定

その上で「辞めたい」と思ったら、辞めたらいいと思います。

でも、少しでも迷ったら、きっと辞めないほうがいいです。

迷わず「今のままでいい」と思えたら、それは素晴らしいことです。

辞めるにしても、辞めないにしても、まだまだ目の前に多くの選択肢が広がっている状況は、最高にハッピーなことだと思います(うらやましい!)。

悩んでるときには、全くそうは思えないんですけどね。

ということで、若手の会計士の皆さんの健闘を祈りつつ、今日はここまでです。

がんばれー

 

【2021年11月追記】

ちょっと各方面から怒られまして、訂正記事を書きました(以下です)。

 

こういう退職絡みの記事ばかり読まれて、色々言われるので、もうこういう内容のものは書きません

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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