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移転価格税制の基礎

第8回 ローカルファイルの記載事項と記載例:取引価格の設定(後編)

前回は、ローカルファイルの流れで、「取引価格の設定」についてお伝えしました。

で、以下の2つについてお話しして、具体的な記載内容も確認しましたね。

1. 国外関連取引における対価の額の明細
2. 対価の額の設定の方法及び設定に係る交渉の内容を記載した書類

が、前回は記載例までは見る余裕がなかったので、今回は、作成サンプル(国税庁 「同時文書化対応ガイド ~ローカルファイルの作成サンプル~」)の内容を見たいと思います。

 

ローカルファイルの記載例(作成サンプル)

早速ですが、作成サンプルでは、以下のような記載があるので引用します(A社というのが国外関連者です。下線は追加しました)

各国外関連取引の内容と取引価格の設定について
 各国外関連取引の内容とそれぞれの取引価格の設定については、以下イ~ニのとおりとなり、A国以外に所在する製造子会社との国外関連取引についても、同様の設定を行っています。また、毎期末に各国外関連取引の取引価格が独立企業間価格となっていることの検証を行っていますが、A社との各国外関連取引がそれぞれ密接に関係していることを考慮し、個別の検証は行わず、全ての取引を一体として検証を行っています(中略)。
なお、2017年3月期における当社とA社の国外関連取引に係る利益配分状況は、営業利益ベースで○:○(当社:A社)でした。

イ A社に対し製品Xの製造で使用する金型及び機械設備を輸出する取引
 当社がA社に輸出する金型は、A社がA国内で製品Xを製造するために使用するもので、この金型の設計、製造を当社が行い、A社へ輸出しています。
 また、A社に輸出する機械設備は、製造工程上の重要な部分を担う機械設備のため、当社の図面に基づいて国内の機械設備製造業者(第三者)に組み立てさせた機械設備を仕入れ、A社へ輸出しています。年間取引金額はそれぞれ、○億円、○億円(どちらも取引条件はCIF、取引通貨は日本円)です。
 当社は、A社との間で「金型及び機械設備販売契約」を締結しており、これらの販売価格は、当社が要した費用(金型については製造費、機械設備については購入費)に○%のマークアップを行った価格とすることを、同契約の中で規定しています

ロ A社に対し製品Xの原材料を輸出する取引
(略)

ハ A社に対し製品Xを製造するための製造技術や商標等の無形資産を使用させる取引
(略)

ニ A社に対して行う機械設備の据付け、機械設備の操作の技術指導、その他従業員へのトレーニング等の役務提供取引
(略)

添付資料9 A社の顧客向け商品のパンフレット
添付資料10 A社の顧客向け商品のプライスリスト
添付資料11 各国外関連取引に係る取引金額等の詳細
添付資料12 2017年3月期の当社とA社の利益配分状況を示すもの
添付資料13 近年の取引価格の推移表

前回結構語りつくしたので、今回はあまり追加することはないです。ただ、ただ、金型及び機械設備を輸出する取引については、コスト・プラスで取引価格を設定することが明記されています(下線部分)。

なお、「全ての取引を一体として検証を行っています」という取引単位の問題は、もうちょっと先のほうで確認したいと思います。

ちなみに、「添付資料11 各国外関連取引に係る取引金額等の詳細」については、以下のようなイメージです。

(出典:国税庁 「同時文書化対応ガイド~ローカルファイルの作成サンプル~」)

今日はここまでです。次回は、ここまでの「国外関連者と国外関連取引」シリーズの記事をまとめて、終わりにしたいと思います。

では、では。

■移転価格税制に関するトピックの一覧はこちら

 

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