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土日に読む小説:『満願』(米澤穂信)

夏休みモードということで、少しの間、週末は好きな小説のことを書きます。

そういえば

前回、好きな作家さんはいないと書いたのですが、そういえば、米澤穂信さんの本はよく読みます。

といっても、例えば、「古典部シリーズ」なんかは全然読めなくて(おじさんなので)、特定の本だけではあるのですが。

米澤穂信さんの『満願』

今日ご紹介するのは、米澤穂信さんの『満願』という本です。NHKでドラマ化されていたので、ご覧になった方も多いのではないかと思いますが、満貫ではないです。念のため。

 

この本は短編集(短篇集)で、6編(篇)収録されているのですが、そのうちの「万灯」という話が特に好きです。

最初と最後

書き出しはこんな感じです。

私は裁かれている。

(以下はちょっとだけネタバレを含みます)

そして、最後は以下のように終わります。

万灯の前で、私はいま、裁きを待っている。

主人公が何をやってしまったのかは、最初のほうに書いてあります。

ただ、どうやって裁かれるのかが、すごく興味深いんですよね。色々伏線もあって。

どんな話なのか

主人公は、井桁商事という商社に勤めています。いや、井桁って、直截的過ぎませんか。まあ、いいか。

で、資源開発に従事してて、バングラデシュに赴任します。ガス田の開発のために。

ただ、物資を集積する拠点を設置する段階から、すでにスムーズに進みません。

拠点を置くべき村のリーダー的な存在(「マタボール」と呼ばれています)のうちの1人が強硬に反対していると。

ただ、井桁商事が拠点を置くことに賛成のマタボールもいて、反対派のマタボールを排除しようと。

そういう混乱の中で、結構強引に事を進めてしまうんですよね。

えーっと、これ、住友商事さんのイメージ的に大丈夫なんでしょうか?

どういうところが好きなのか

この話、よく考えられています。なので、話自体が本当に面白いです。

ただ、個人的には、米澤穂信さんが描く異国の様子を読むのも大好きなんですよね。

私は小さなときに色んな国に行ったのですが、「自分の見ていないところで、本当にそういうことがあったかもなあ」とつい想像してしまいます。

例えば、この話だと、開発に反対しているマタボールは、過去に英国にいたことがあって(たぶん留学)、バングラデシュにとっての資源の重要性を認識していたり。そういうこと、本当にありそうですよね。国の外に出たことがあって、大局的な視点で物事を見られる人が、国の中央じゃない僻地の村にいるとか。

来週書こうとしている『追想五断章』とかもそうなんですが、何か「ありそう」な話なんですよね。

自分は直接経験していないけど、「あのとき、裏ではこういうことが起こっていたのかもしれないな」と考えさせられることが多いです。

土日に読むのに最適

話の本筋とは全然違うのですが、そういう異国のことを追体験できるから、気分転換に最適だと思います。

話自体が面白い上に、ですからね。

ちなみに、他の話も面白いです。「夜警」とか。

うちの子供たちも、NHKのドラマを見てすぐに、「本貸して」と言ってきました。そういう面白さです。

ということで、今日はここまでです。

では、では。

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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