オススメの書籍紹介:『1冊でわかる! 経理のテレワーク』

このブログでは、不定期でオススメの本をご紹介しています。
目次
今回は『1冊でわかる! 経理のテレワーク』です
今回は、『1冊でわかる! 経理のテレワーク』(原 幹さん著)という本です。
昨年(2020年)の10月に出た本で、当時結構話題になったので、読まれた方も多いのではないでしょうか。
私のクライアントでも、在宅勤務されている方は多かった(多い)ので、「テレワークの導入により、どういう問題が起こり得るのか」を考えるうえで、この本を参考にさせてもらいました。
また、最近は電子帳簿保存法の改正対応があるので、改めて見返して、この記事を書いてます。
この本のいいところ
この本のいいところは、何より「経理のテレワーク」というテーマに関係する論点を、とにかく幅広く挙げてくれているところです。
ちょうど半年くらい前の私がそうでしたが、「テレワークの導入により、どういう問題が起こり得るのか」を網羅的にとらえたい人には、最適な本だと思います。
実際のテレワーク導入に際しては、1つ1つのテーマをもっと深掘りする必要は出てくると思います。ただ、まずは「どういう論点があるか」という全体像を把握するのが第一歩なので、それを広く(浅く)見せてくれるこの本は素晴らしいなと思います。
私は経理部門で働いたことがないので、「経理のテレワーク」の何が本当に大変なのかは(おそらく今も)わかっていないのですが、それでも何となく雰囲気が伝わってきました。
特に第5章の「経理業務プロセスにおけるテレワーク対応の実際」は、かなり具体的に書いてくれているので、企業の経理部門でお仕事をされている方にも参考になるところがあるのではないかと思います。
めちゃくちゃ共感したこと
この本を読んでいて、1つめちゃくちゃ共感したことがありました。
この本の第3章「経理業務へのテレワークの導入プロセス」で、「テレワーク導入のボトルネック」に触れられている箇所があります(以下が抜粋です)。
テレワーク導入のボトルネックとなるものには以下があります。
・「できない理由」を探すこと
・必要性やニーズに対するトップの理解が不十分
これ、ホントそうだなと思います。
そもそもトップが意思決定しないケースはどうしようもないですが、それ以前に、テレワークを行う主体となる人たちが抵抗を感じておられるようなケースもある気がするので。
個人的に気になったこと
この本を読んでいて気になったことは、「電子帳簿保存法のことをもっと書いてくれたらなあ」ということです(第3章で触れられており、その他私が見落としている可能性はありますが)。
テレワーク導入のボトルネックとしては、上記のほか、電子帳簿保存法による制約も大きい(それが上記の「できない理由」だったりもする)気がするので。
最後に
とはいえ、私のように、電子帳簿保存法のことが気になるのであれば、自分でそこを深掘りすればいいだけの話です。
この本の最大の長所は、やはり論点を網羅的に挙げてくれているところで、そういう「気付き」が得られるのがいいなと思います。
ということで、かなり遅くなりましたが、今でも参考になる本ということで、今回は『1冊でわかる! 経理のテレワーク』という本のご紹介でした。
では、では。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。