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監査法人対応とその虚無感(少しだけ実録)

改訂されたインボイスのQAは読む気がしないので、今日も雑談です。

普段のお仕事の例

先日書いたのは、「普段はどんなお仕事をされてるんですか?」というご質問にうまくお答えできないというお話ですが(こちら)、お仕事の具体例ということで、決算前後の時期に多い監査法人対応のことを書きます。

監査法人対応の位置付け

「監査法人対応」というと仰々しいですが、要は会計面のアドバイスです。ただ、そのアドバイスを求められる契機が、監査法人さんへの相談が必要だったり、監査法人さんから何らかの指摘を受けた結果だったり、ということですね。

私の印象に過ぎませんが、会計面のアドバイスって、それ単体ではお仕事になりにくいように思います。会社の内部のことは全然わかりませんが、予算がつきやすいお仕事とつきにくいお仕事があって、明らかに後者なんでしょうね。

なので、私の場合、会計面のアドバイスは、スポットのお仕事で頂くよりは、顧問契約の枠内で対応することが圧倒的に多いです。

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監査法人対応(事前)

具体的なお仕事として、しっかりした企業からは、「事前」にご相談があります。

会計上の論点について、「もっていきたい方向」があって、監査法人に相談する「前」にご相談頂く感じですね。

その場合、自分でも考えてみて、「その方向でいけそうなので、こんな感じで相談されたらどうですか?」みたいにお答えします(もちろん、「それはさすがに無理じゃないでしょうか」ということで、一緒に次善の策を検討することもあります)。

余談ですが、こういうお仕事は、監査法人の仕事を代替している面があります。

というのも、監査法人の方々は、仮に回答できる十分な知識があったとしても、独立性の問題でアドバイスできないことってありますよね。最近は「それとなく答えを示す」ことすら難しいのかなと思ったりもします。昔は、クライアントの連結キャッシュ・フロー計算書を作っている人とかいたような気もしますが(笑)

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監査法人対応(事後)

話を戻すと、上記の事前対応のほか、4月の決算締まりかけのタイミングで監査法人から指摘があり、それに対応することもあります。

上で「しっかりした企業から」は、事前にご相談があると言ってしまっていますが、別に「しっかりしていない企業」扱いしているわけではありません。というか、実際には「事後」のご相談のほうが多いです。

これなー。

少しだけ実録:監査法人対応

こういうケースは、だいたい急ぎの電話があります。そのとき、企業の方は「50%焦ってて、50%キレている」状態です(あくまでも一般論)。連絡を頂くのは、だいたい「監査法人の指摘に納得できない(素直に修正できない)」ときなので。

ちなみに、多くの場合、私も「うーん」という感じになることが多く、あんまり書くと怒られますが、だいたい以下のようなイメージです。

  • どういう保有形態であっても、(日本基準の)その他有価証券の評価差額を損益計算書に反映することなんてあるか?(以下自粛)
  • そんな税務調整は見たことないけど、そもそも会計処理自体が間違ってるんじゃ…(以下自粛)
  • 外国税額控除の控除限度超過額に繰延税金資産を積む「べき」って、どういう指摘? そもそも「国外所得が不安定でスケジューリングできない」って言ってるんだから…(以下自粛) 
  • 顧客に支払われる対価? 誰に手数料を支払ってると思って…(以下自粛)
  • いきなり謎の会計処理入れて、「税効果を考えたいから、税務上の取扱いは当局へ照会してくれ」ってどういうこと? そっちの世界では、国税局はそんなにすぐ回答してくれるんか?(以下自粛)
  • いかん、いかん。

    ここ最近はこんなのばっかり

    3月~4月は、だいたいこんな感じです。こちらも必死に考えて、企業の方と一緒に考えますが、問題が解決する頃には、だいたい企業の方は、当初の「50%焦ってて、50%キレている」状態から、「100%キレている」状態に移行しています。

    私はといえば、昔は向こう側にいたので、ちょっと事情もわかってしまい、何とも思いません。敢えて言うなら、「25%キレていて、残り75%は無」の状態です(意外にキレてる)。

    さすがに「よし、それ、今度からは決算前に聞こうか?」みたいに言いそうになるときはありますけど、まあ、期中監査時は眠っていた本能が、期末監査が始まると目覚めてくる、というのは何となく理解できます。私も昔、パートナーに押印してもらったタイミングで、その文書に誤字脱字を発見することがよくありました。きっと押印の朱色で覚醒する本能のようなものがあったのだと思います。

    でも、自分が企業の方の立場だったら、たぶん相当怒ってるだろうなー。何となくですが、土壇場で数字を動かすことの重大さに関する認識の相違があり、それが企業の方の神経を逆なでしてるように思うことはあります。もちろん、監査法人側のスタンスは、「最初から正しい数字を作っておけば、こんなことにならない」という感じなんでしょうけど。

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    みんな不幸せ

    ちなみに、これは誰かを責めたいわけではありません(さっきはちょっと危なかったけど)。

    というのも、傍目に見てても、今の監査法人の皆さんは、忙しすぎるように思うからです。

    監査法人勤務時代の自分のことを棚に上げれば、会計士なんだから、会計の技術的なところは、簡単に回答してほしいなとは思いますし、会計の技術的なところを押さえたうえで、問題を指摘してほしいなとも思います。

    でも、専門家であれば、技術的な部分を突き詰めたい気持ちは、誰しもあるんじゃないでしょうか。そうだとすると、それができない環境にあることは、特に将来のある(=まだ外の世界に出られる)若い人たちにとっては、ちょっとかわいそうだなとも思います。

    そう考えると、今の状況は誰もハッピーじゃないですよね。

    四半期報がなくなって、監査法人の皆さんも、ちょっとは余裕ができるといいなと思います。

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    監査法人対応の虚無感

    監査法人対応のお仕事は、こんな感じです。

    特に事後対応の場合、時間的にかなりタイトなので、そのときは必死です。また、スムーズに問題が解消すれば、一応の達成感(や企業の方との謎の連帯感)はあります。

    でも、少し経つと、「監査法人が答えりゃ(または変な指摘しなけりゃ)いいのになあ」→「自分の仕事に意味があるのかなあ」と思ってしまいます。

    そういう虚無感が生まれるのは、だいたい「監査」絡みです。

    今日はここまでです。

    では、では。

    この記事を書いたのは…
    佐和 周(公認会計士・税理士)
    現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

     

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